九谷全般

第一二三話 ◆ 九谷焼という名称

(石川県加賀市・旧九谷村 左手の斜面は九谷古窯跡) 120回以上にわたって、九谷焼のことを見てきました。 これだけ多彩な作風に分かれているやきものは、 そうはないでしょう。 青手、五彩、赤絵細描、彩色金襴手、釉裏金彩……。 これからも新しい技法が開発さ…

第一〇三話 ◆ 閑話休題

突然、毛色が違って驚かれるかも知れませんが、 たまたま手に入れ、あまりにかわいかったので。 来年、2013年のへび年用に作られた最新の九谷焼。 その名も“だそっくん”とのこと。 石川県能美市で活動している 寺田ひかりさんという作家さんの作品です。 名…

第九十八話 ◆ 五彩手復活への道

いったん途絶えた古九谷の青手スタイルを 復興したのが吉田屋窯だったことは、はっきりしています。 (端緒が若杉窯だった可能性はあるにせよ)。 では、古九谷のもう一つの主流スタイルである「五彩手」は、 どうやって蘇ったのか。 「開窯二百年記念展 若…

第五十五話 ◆ 結び付く記憶

河島洋さんの新作酒盃を手に入れたのは、2月の中旬でした。 パソコン机のすぐ脇の棚に飾っていました。 ひと月も経たないうちに、それは陶片となってしまいました。 言うまでもなく、3月11日のことです。 河島さんは長年、吉田屋の再現に取り組み、 年々…

第四十七話 ◆ 再興九谷の流れ

一般に再興九谷の諸窯は、地域ごとに 「金沢九谷」「能美(のみ)九谷」「江沼九谷」の 3つに分けられます。 19世紀前半から中盤(江戸後期~末期)で見ると、 再興九谷の端緒となった春日山窯は、金沢九谷。 旧能美郡域に位置する若杉窯や小野窯は、 能美九…

第二話 ◆ 宙ぶらりんな存在

石川県加賀市・旧九谷村にある古窯跡。 かつては、ここで古九谷が作られたと、誰もが信じて疑いませんでした。 九谷の魅力を探る、というとき、実に微妙な問題があります。 「九谷とは“古九谷”のことか?」。 もしそうなら、次に来るのが 「古九谷は伊万里じ…

第一話 ◆ 江戸期がルーツ 色の魅力

画像は、先日亡くなられた九谷焼の人間国宝、 三代徳田八十吉さんの香炉です。 この作品を、あるパンフレットで見たことが、 九谷焼を好きになるきっかけになりました。 とにかく、色に驚きました。 何と鮮やかで、吸い込まれるような色づかいなのか。 やき…