第一話 ◆ 江戸期がルーツ 色の魅力

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画像は、先日亡くなられた九谷焼人間国宝
三代徳田八十吉さんの香炉です。
この作品を、あるパンフレットで見たことが、
九谷焼を好きになるきっかけになりました。

とにかく、色に驚きました。
何と鮮やかで、吸い込まれるような色づかいなのか。
やきものと言えば「わび」「さび」の世界で、
自分とは無縁だと思っていました。
ところが、この「色」には未来的な印象すら受けました。

さらに驚くことには、この色彩は
三代八十吉氏が一から作り出したわけではなく、
ルーツは江戸時代にまでさかのぼると言います。
脈々と伝えられてきた「青手」の色釉が基礎にあって、
初めてこのグラデーションが生まれたというのです。

当時、自分は北陸に住んでいました。
地の利を生かし、九谷焼を見られる施設を巡るようになりました。
そして図録やら書籍やらを漁り、
時には古美術店で貴重な実物を手に取らせていただき……。

何年かを経たいま、あらためて九谷焼
日本のやきものの異端児だと思います。
色と絵が最大の魅力だなんて、九谷ぐらいのものです。
枯淡の味わい? 余白の美? そんなの知ったことか!
そう言い放たんばかりの、パワーに満ちた九谷が好きです。

九谷焼の魅力を、素人のできる範囲でですが
見つめてみたいと思います。