2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧
左が徳利、右が小皿の高台部分。典型的な「鼠素地」です。 灰色というか、黒ずんでいるというか、 とにかく純白でないのが一番の特徴。 細かな不純物も多数、素地の中に見られます。 幕末青手の素地が全て灰色というわけでなく、 クリーム色がかった素地もあ…
画像は典型的な花紺青が使われた、松山窯の朝顔文です。 花紺青は、日本で伝統的に使われてきました。 日本画で古くからある色で、京焼でも使われているようです。 ただ、失透性が高いため、 色が淡いだけでなく濁った感じになります。 色釉の透明感が売りの…
(左)吉田屋窯の四彩 (右)松山窯の四彩 九谷焼における青手(四彩)の伝統を 再復興させた松山窯ですが、すでに見てきたように 吉田屋の製品とは作風に違いがあります。 見慣れてくると絵の感じだけでなく、四彩の色調にも 微妙な差があることがわかってきま…
青手古九谷の図柄を写した作品が見られるようになるのも、 松山窯の特徴です。下の画像の鉢はその一例。 ほぼ同じ図柄を描いた古九谷の中皿があります。 第八話でも触れましたが、吉田屋にはこういう、 図柄をそのまま古九谷から引用しているような作品は あ…
松山窯の絵の面白さは、四寸足らずの小皿でも 十分に見て取ることができます。 前話でご紹介した徳利の絵よりは一見、線描は端正ですが、 こんな風景が実際にはあるわけがないことは、 すぐに気付くでしょう。 岩の穴からはみ出してくる牡丹の花も、 羽を閉…
同じ青手でも、松山窯の作風は吉田屋とかなり違います。 特に異なるのが、絵から受ける印象です。 画像は、松山窯の六角徳利の側面です。 山や樹木が描かれる、いわゆる山水図ですがどうでしょうか。 情念。私の場合、浮かぶのはそんな言葉です。 吉田屋の持…